往復書簡、ふたりの本棚

本や音楽×日々の出来事、ゆき(うっちゃん)とりえ(やそりえ)の往復書簡

輝く夏のエネルギー ~♪déjà vu 斉藤和義~ りえより

 急に(と思っているのは人間だけで、自然界は着々と準備した結果なのでしょうが)梅雨が明け、じりじりした大暑らしい日差し。夏休みに入ったその日から、世間の空気も「夏休み」になったことにも気付きます。プールの塩素のにおいみたいな昼過ぎの熟した眠気みたいな。

 今年は季節がどんどん過ぎていってしまうのが名残惜しいような、スピードにワクワクするような気持ち。
 
 4月から続いていた東京との行き来が間もなく終わろうとしています。一方で新しく知り合いのお手伝いが仕事として始まって、終わりとはじまりを感じる7月です。
 先週末、東京に行って駅に降りたとき、東京に感じる馴染み感が薄くなったことに気付きました。自分の居場所が完全に大阪になったんだなと感じたよ。
 そんな東京の夜は、いつもの立ち飲み屋に行くと会いたいのにすれ違っていた常連さんたちと会えたり、マスターが上機嫌だったり。なにか別れを彩るよう。粋な神さまのはからいだーと感じて嬉しいのと同時に、居心地のいいスペースから離れる予感にうっすら切なさも感じて。うっとりするような、しびれる夜でした。
 そして夏が来て、月も満ちて。誰も止められない巡りのエネルギーに圧倒されるようです。
 
 
déjà vu
何処かで見たこの場面は 遠い昔眺めてた未来
素肌のまま眠る君の顔を見つめ 思い出していた
夢のような日差しがとけて
君が着てたシャツも 新しい日常も
やわらかにつつんでいく
 
君の胸に耳をあてる 何故か不思議 なつかしいメロディ
大きな水の中で 泳ぐ魚のように 眠る子供のように
揺れるレモンのように もどかしい言葉も嘘も
哀しみの涙もすべてつつむメロディ
 
 
 夏を感じると聞きたくなる斉藤和義。音楽に連れられて幾つもの夏の記憶が、また今年も鮮やかに蘇る。香りに紐付いて懐かしいひとを思い出すのと同じように、それはもうuncontrolableに。


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