往復書簡、ふたりの本棚

本や音楽×日々の出来事、ゆき(うっちゃん)とりえ(やそりえ)の往復書簡

秋へ ~♪流星 吉田拓郎~りえより

 夏の美しい風景を、ふたつ続けてありがとう!明るく、それでいてうっすらと感傷を感じる、夏の終わりを告げる文章。何度も読んでしまいました。

 そしてそうこうしている間に朝晩涼しい日が続いて、あぁ秋が来たんだなぁと感じます。

 

 六占星術によるとわたしたちは金星人+で、7月から9月までが1年の中での要注意月なんだってね。夏が大好きなわたしはあまりそれを感じることはないけれど、9月は、何かが終わりそして始まる、カオスというか混じり合うときだなと思うことは割合これまでもあった気がします。

 今年も幾つかプロジェクトが始まって、会社を辞めてから久しぶりに少し忙しくなりそうな予感。

 新しいことが苦手なわたしだけど、なんだか悪い気がしないのは、秋だからかな。音楽や読書を、長い夜にますますジューシィに味わえる気がする秋。特に秋のはじめはクラシックが似合う。いろんな出来事が混じり合うときだからこそ、正しく整った音楽が聞きたくなるのかもしれない。

 

 毎日ではないけれど早朝に大阪城公園に行って、敷地にある神社にお参りした後、静かに15分くらい過ごす時間が、最近の愉しみ。

 いつの間にか蝉の声が聞こえなくなって、虫の声に変わっている。空の高さがぐんと高くなって、雲が次々に移ろっている。風が連れてくる匂いは葉っぱや蔓や、乾いた木の匂い。昨日のことも今日これからのことも、横に置いて、いま自分がこのからだを通して感じていることだけを味わう時間。大地や空とつながっていて、大きな世界のひとつとしてのわたしに気付く時間。

 そして帰り道、今日出会うひとや今夜のごはんのことをしっとりと思い巡らせる。なんだかゆるくのびやかに時間の軸が拡がっていくような、新しい一日が始まる予感に満ちた帰り道。

 

♪流星 吉田拓郎

流れる星は 今がきれいで ただそれだけに哀しくて

流れる星は かすかに消える 思い出なんか残さないで

君の欲しいものはなんですか

 

 

 吉田拓郎のよろめきながらしっかり届く、たくましいようで優しい歌声を、秋の入り口に聞きたくなった。

 名残惜しく夏の余韻を感じながら、心もからだももう秋を迎え受け容れていることに気付く。大自然もひとの心もたわわに実る、豊かな季節がやってくる。


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