往復書簡、ふたりの本棚

本や音楽×日々の出来事、ゆき(うっちゃん)とりえ(やそりえ)の往復書簡

藤棚の下で~『ママはテンパリスト』東村アキコ~ゆきより

4月も後半となり、慌ただしくスタートした新生活のペースを掴みつつあるのかな。思いがけない保育園転園が決まるなど、息つく間もないだろうけど、あなたらしくそんな盛りだくさんな日々をこなしていってるだろうなと思います。 5月が近づいてきて、近所の…

初めてだらけの1週間 ~『ほつれとむすぼれ』田口ランディ~ りえより

4月は新しい季節。それをまざまざと実感した1週間が過ぎました。 エールありがとう。あなたがいつも心のどこかで「どうしてるかな?」と思いを馳せてくれていること、こちらもいつも心のどこかで感じながら過ごしていたよ。4月1日からの1週間は、次々に…

母と女~『いのちのために、いのちをかけよ』吉村正~ゆきより

一年以上ぶりのブログ再開、二人ともが母になり大変化して確かに笑えるよね。あなたらしい、いや、あなたらしさがより深みを増してパワーアップした、料理と大切なひとと自分の暮らしに対する愛おしさに満ちた文章に強ささえ感じました。この一年で、あなた…

春へ ~『志麻さんのプレミアムな作りおき』志麻~ りえより

約1年半ぶりの手紙!前回までの手紙を読み返して、お互いの状況のあまりの変化に、笑ってしまいました。いまや「母」だもの。前回の手紙を書いたときのわたしは、妊娠すら知らなかったというのに。 今日はあたたかい日でした。用事があって出掛けたのだけど…

手紙回想~『花の降る午後』宮本輝~りえより

久しぶりにたっぷりと、雨。前回の手紙以来、10年くらい前の懐かしいメロディが頭の中に次々めぐるのを楽しみつつ、雨の日ならではのすべてが潤う感じを心地良く味わう朝。 この前、以前勤めていた会社で長く「相棒」だった男の子から手紙をもらった。彼とは…

田舎の風、夏空に想う~『夜空の下で』益田ミリ~ゆきより

お盆、毎年恒例になっている夫の田舎へ行ってきた。今はいない夫の祖父母の家が空き家となってあり、その家で育った義父たち三兄弟が集い草刈りなど家のメンテナンスを行う。一日目はその家で義父とおじらが雑魚寝して、二日目の昼頃私たち夫婦といとこが到…

リアルを愛しむ ~『サヨナラにサヨナラ』 中島らも~りえより

8月に入って10日が経ち、どんどん夏が熟していく気配。立秋が過ぎて、日差しの色合いが変わったのも感じる。圧倒されるような王様って感じの強さから、ふくよかで底なしの女性的な包容力へ。 夏生まれだからか、夏の思い出はどれも少し特別で、うっとりする…

よりそう温かさ~『大丈夫やで』坂本フジヱ~ゆきより

本が好きだと心底思うのは、こういう本との出会い。 情報や新しい知識ではなく、その作者と共鳴したとき。文章からわきでるオーラを感じるのかな、その本の空気感が私を包み込み心地よくさせる。文字の詰まった紙の塊が一気に魂を帯びた存在になる。人を好き…

いまをつかまえる~『自分と出会う』 谷川俊太郎~ りえより

五月晴れという言葉にぴったりの季節。つつじがまさに「今が盛り」とばかりに咲いています。 この4~5月はたくさんのひとと会う期間だったと振り返っています。初めて会うひと・何度か会を重ねて知り合えたひと・久しぶりに再会したなつかしいひと・短期間…

再読のたのしみ~『白河夜船』 吉本ばなな~ゆき

「カフェミスト、トール2点で777円です。ラッキーセブンですね。」 今でもスターバックスのお姉さんの笑顔をはっきり覚えている。 無職のあなたにこれくらいおごらせてよ、と格好つけて言った私を益々気分よくさせたこのブログの初打ち合わせの時だった…

つくるよろこび ~『「アク」のこと』 梨木香歩~ りえより

暇に任せて料理をすることが多い最近。昨日はキーマカレーとチリコンカンの間のような豆煮込み。そして、今日はバナナのパウンドケーキ。余ってたドライマンゴーを刻んで、くるみも入れて。 料理をしていると感覚をフルに使うよね。スパイスがオイルに溶けて…

はじまりの春 ~『夜と夜の旅人』 吉本ばなな~ りえより

春の手触りを内と外でしっかり感じたこの1ヶ月。桜が満開の日、一緒に近くて遠い旅に出て、うまれたアイデアが一週間でかたちになった。 この、会うたびにスピードが加速していく感じ、わたしたちらしい。大好きな新緑の季節にスタートできることがとてもう…