往復書簡、ふたりの本棚

本や音楽×日々の出来事、ゆき(うっちゃん)とりえ(やそりえ)の往復書簡

2016-01-01から1年間の記事一覧

手紙回想~『花の降る午後』宮本輝~りえより

久しぶりにたっぷりと、雨。前回の手紙以来、10年くらい前の懐かしいメロディが頭の中に次々めぐるのを楽しみつつ、雨の日ならではのすべてが潤う感じを心地良く味わう朝。 この前、以前勤めていた会社で長く「相棒」だった男の子から手紙をもらった。彼とは…

欲しいもの~♪JAM THE YELLOW MONKEY~

吉田拓郎の歌声をあんなにぴったりしっくり、そしてさらりと表現した文章にズキュンと胸を撃ち抜かれました。改めて参りました。思い出して読み返してはうっとりしました。前ふりで、クラシックが聴きたいと言いつつ吉田拓郎かよ!と突っ込みたくなるお茶目…

秋へ ~♪流星 吉田拓郎~りえより

夏の美しい風景を、ふたつ続けてありがとう!明るく、それでいてうっすらと感傷を感じる、夏の終わりを告げる文章。何度も読んでしまいました。 そしてそうこうしている間に朝晩涼しい日が続いて、あぁ秋が来たんだなぁと感じます。 六占星術によるとわたし…

田舎の風、夏空に想う~『夜空の下で』益田ミリ~ゆきより

お盆、毎年恒例になっている夫の田舎へ行ってきた。今はいない夫の祖父母の家が空き家となってあり、その家で育った義父たち三兄弟が集い草刈りなど家のメンテナンスを行う。一日目はその家で義父とおじらが雑魚寝して、二日目の昼頃私たち夫婦といとこが到…

あざやかな夏の余韻~♪あの夏の花火 Dreams Come True~ゆきより

遠くから 胸震わす 音が響いてくる 蒸し暑い闇の向こうが 焼けてくる 閃光が呼び覚ました あの夏の花火を 川風が運んだ 火薬の匂いを 人であふれる堤防 はぐれないように まぢかで見た10号玉 まばたきを忘れた 前回に引き続いてドリカム。ドキドキそわそわ、…

リアルを愛しむ ~『サヨナラにサヨナラ』 中島らも~りえより

8月に入って10日が経ち、どんどん夏が熟していく気配。立秋が過ぎて、日差しの色合いが変わったのも感じる。圧倒されるような王様って感じの強さから、ふくよかで底なしの女性的な包容力へ。 夏生まれだからか、夏の思い出はどれも少し特別で、うっとりする…

Our rings~♪薬指の決心 Dreams Come True~ゆきより

体の変化に自分で自分を持て余している間、後でこのブログに書こうと心にとどめていた本や音楽があった。だけど、大好きな夏がやってきて、1週間違いの誕生日の私たちが共にまた新しい年を重ね、私の体も楽になってきて、なんだか新しい自分になったような自…

輝く夏のエネルギー ~♪déjà vu 斉藤和義~ りえより

急に(と思っているのは人間だけで、自然界は着々と準備した結果なのでしょうが)梅雨が明け、じりじりした大暑らしい日差し。夏休みに入ったその日から、世間の空気も「夏休み」になったことにも気付きます。プールの塩素のにおいみたいな昼過ぎの熟した眠…

ゆるやかな変化~『むかしはものをおもはざりけり』~りえより

あっという間に新緑の季節が過ぎて、梅雨入り・夏へ向かう季節へ進んでいます。 夏が大好きだから、こんなに着々と近付いてきてしまうと複雑な気持ち。もっとゆっくり一瞬一瞬を過ごしたいのに、と思ってしまう。 長野に来ています。一日は戸隠神社にたっぷ…

よりそう温かさ~『大丈夫やで』坂本フジヱ~ゆきより

本が好きだと心底思うのは、こういう本との出会い。 情報や新しい知識ではなく、その作者と共鳴したとき。文章からわきでるオーラを感じるのかな、その本の空気感が私を包み込み心地よくさせる。文字の詰まった紙の塊が一気に魂を帯びた存在になる。人を好き…

いまをつかまえる~『自分と出会う』 谷川俊太郎~ りえより

五月晴れという言葉にぴったりの季節。つつじがまさに「今が盛り」とばかりに咲いています。 この4~5月はたくさんのひとと会う期間だったと振り返っています。初めて会うひと・何度か会を重ねて知り合えたひと・久しぶりに再会したなつかしいひと・短期間…

GW心もよう ~♪閃光少女 東京事変~ りえより

やってくるまでは遠いようで、始まってしまえばあっという間のGW。後半に入ったね。 奈良で開催されるイベントに向かう電車の中。いつもよりずずんとナーバスになっている自分を感じながら、それをなんとなくなだめながら、道中を進んでいる。 ナーバスにな…

雨、静けさと切なさ青く燃えて~♪Honesty Billi joel~ゆき

雨の日は、静かな気持ちが深まって次第に心の奥が青く燃えるよう。 落ち着いているような、高ぶっているような不思議な気分になる。 いったいあなた、どんな映画を見たのだろう?そんなにかき乱されたと聞かされて、結局なんの映画で、どういう物語だったの…

細胞との対話 ~♪Scarborough Fair サイモンとガーファンクル~ りえより

久しぶりのひんやりした雨です。しっとりした空気が薄暗い部屋いっぱいに満ちていて、全身で”雨の日”を感じていると、世界とのさかいめがなくなるみたい。遠いひとにも気持ちが届きやすいような気がする。 「白河夜船」読んだんだね~懐かしいよね。3分の2…

再読のたのしみ~『白河夜船』 吉本ばなな~ゆき

「カフェミスト、トール2点で777円です。ラッキーセブンですね。」 今でもスターバックスのお姉さんの笑顔をはっきり覚えている。 無職のあなたにこれくらいおごらせてよ、と格好つけて言った私を益々気分よくさせたこのブログの初打ち合わせの時だった…

つくるよろこび ~『「アク」のこと』 梨木香歩~ りえより

暇に任せて料理をすることが多い最近。昨日はキーマカレーとチリコンカンの間のような豆煮込み。そして、今日はバナナのパウンドケーキ。余ってたドライマンゴーを刻んで、くるみも入れて。 料理をしていると感覚をフルに使うよね。スパイスがオイルに溶けて…

はじまりの春 ~『夜と夜の旅人』 吉本ばなな~ りえより

春の手触りを内と外でしっかり感じたこの1ヶ月。桜が満開の日、一緒に近くて遠い旅に出て、うまれたアイデアが一週間でかたちになった。 この、会うたびにスピードが加速していく感じ、わたしたちらしい。大好きな新緑の季節にスタートできることがとてもう…

Open my shelf  ~♪月ひとしずく 小泉今日子~ ゆきより

ポストにやそりえからの手紙を見つけると、わくわくした。すぐにでも開けたい逸る気持ちを抑えて、カバンを置いてコートを脱いで、準備を整えて封を切る。 高校を卒業して、自然に手紙のやりとりをするようになった。大学時代、海外生活中、社会人になってか…