往復書簡、ふたりの本棚

本や音楽×日々の出来事、ゆき(うっちゃん)とりえ(やそりえ)の往復書簡

雨、静けさと切なさ青く燃えて~♪Honesty Billi joel~ゆき

雨の日は、静かな気持ちが深まって次第に心の奥が青く燃えるよう。

落ち着いているような、高ぶっているような不思議な気分になる。

いったいあなた、どんな映画を見たのだろう?そんなにかき乱されたと聞かされて、結局なんの映画で、どういう物語だったのかまったくもって教えてくれずじまい。煙に巻かれたようにScaborough Fair。

Scaborough Fairは、わけのわからない話で魔界へ誘い、パセリ、セージ、ローズマリー、タイムと答えてすかしているという説があるようです。それは身を守おまじないでもあるんだって。「海と海岸の間に1エーカーの土地を見つけて」「縫い目のないシャツを作って」そんな話に「馬鹿なことを言うな」って付き合うと魔界に連れて行かれるんだって。そんな民謡に、サイモン&ガーファンクルベトナム戦争への反戦の意を重ねて歌っているんだとか。

雨があなたを魔界へ誘ったのかもしれないね。

私は、しとしとと降り続ける雨の日には「honesty」を聴き入ってしまう。

 

Honesty Billy Joel

Honesty is such a lonely word
Everyone is so untrue
Honesty is hardly ever heard
And mostly what I need from you

 

どうしてこんな切なさを抱えてしまうのだろう。

誰にも埋められないさみしさだって、わかっているのに誰かを求めてしまう。

神経質でさびしがりやのビリージョエル。大人っぽく歌うどこかでぬぐい忘れた子どもの心、真摯な青年のまなざし。

大人になってhonestyとは何か、言葉通りのhonestyは存在しないかもしれない、だけどそういうのってきっと関係ない、と思うようになってきた。それなのにsuch a lonly wordとストレートに本気で彼は歌うのでいつも心を揺さぶられ、ただ雨を見つめてしまう。